三好市と東みよし、つるぎ両町で多くの集落が孤立するなどの被害をもたらした大雪が降ってから、5日で1年。孤立を経験したつるぎ町半田紙屋地区では、地元住民が被災状況を後世に伝えようと石碑を建立した。近くの集落で1人が亡くなったことも記し、再び同じ被害を生まないようにとの強い願いが込められている。
紙屋地区では、1年前の大雪で八幡神社にあった高さ20メートルほどの古木が数本倒れ、鳥居などが損壊。電話は通じなくなり、地区全体が2日間にわたり孤立した。
4月、神社の鳥居などの再建について氏子らが話し合っていた際、「雪害が地元を襲ったことを記す石碑も建てよう」との声が上がった。被害を語り継ぐことで将来の減災につなげたいとの思いからだった。
10月、神社に建立された石碑は、高さ70センチ、横150センチ、幅10センチの御影石製。神社の被災状況のほか、地区が孤立したことや、2・5キロ離れた長野集落で高齢者が亡くなったことなどを刻んだ。
世話人の石田金一さん(70)=建設業=は「大雪が降った日のことは一生忘れられない。大雪を後世に伝えることは我々の使命だと思う」と話している。