歩き遍路の休憩所に美術館が併設された「巡礼の駅」=吉野川市川島町川島

歩き遍路の休憩所に美術館が併設された「巡礼の駅」=吉野川市川島町川島

 歩き遍路の休憩所と美術館を一体的に整備した施設「巡礼の駅」が8日、吉野川市川島町川島にオープンする。市内外の有志7人が、遍路文化を継承しようと整備した。

 駅は木造平屋247平方メートル。カフェ「聖(ひじり)」では、お遍路さんにお茶や水を提供するお接待をするほか、市内産の野菜などを使った食事(有料)を提供する。併設の「加賀美術館」(入場無料)には、画家の加賀心(しん)海(かい)さん=東京都=が描いた空海の仏画など約120点を展示する。

 3日には施設でプレイベントが開かれ、関係者ら約50人が完成を祝った。

 施設整備は、加賀さんと和歌山県高野町の喫茶店「高野山巡礼の駅」の経営者が、知人を通じて島勝伸一さん(68)=吉野川市鴨島町喜来、会社役員=に「お遍路さんを癒やしたり、空海の教えを広めたりできる場をつくれないか」と相談したのがきっかけ。快諾した島勝さんは有志を募り、5月から国道沿いにある旧郵便局舎を改修していた。費用は約1千万円。

 島勝さんは「多くの人が気軽に立ち寄れる場にし、地域活性化につなげたい」と話している。