祝!2連勝! 徳島ヴォルティスのホーム福岡戦(7月25日)は、ピーター・ウタカ選手が2得点の大活躍で3-1と快勝し、ホーム4連勝となりました。記者(サポーター見習い)は、ウタカ選手の徳島デビューであり勝利を収めた大宮戦(7月21日)を別の業務で見逃していたので、ウタカ選手のプレーを見たのは初めて。得点するたびにスタジアムが沸き、ウタカ選手の発声でのタオル回しは、サポーターの笑顔がはじけました!

ウタカ選手の発声で勝利のタオル回し=7月25日、鳴門ポカリスエットスタジアム

 平日のナイトゲームとあって、観客は週末より少ない3787人。それでも、来場した観客が今まで以上にスタジアムを楽しんでいる雰囲気を感じます。ウタカ選手ら新加入選手への期待の大きさはもちろんですが、先輩サポーターたちによる観戦を一層楽しむ取り組みも一役買っていそう。試合前後のスタジアムで取材しました。

「観戦を一層楽しんで」と提案するいっしゃん(左)とプロウタカ仮面職人

 ウタカ選手の加入が発表されてからスタジアムで見掛けるようになったウタカ選手の笑顔のお面。6月16日のウタカ選手のスタジアムでのお披露目の際にも、ヴォルタくんが付けていました。

ウタカ選手のお披露目を前にお面をつけて歓迎するヴォルタくん=6月16日、鳴門ポカリスエットスタジアム

 このお面は、なんとサポーターの男性「プロウタカ仮面職人」の手作り! 試合前に無料で配布しています。この日は100個のお面を作ってきていました。

 試合を重ねるごとにお面を付けた人がだんだん増えています。取材をしている間にも、続々とお面を求める人が集まってきます。子どもも大人も、みんな笑顔で受け取っているのが印象的でした。

 なぜお面を作って配っているんですか?「みんなで一緒に楽しみたいと思って、ウタカ選手の加入会見(6月15日)から作り始めました。たくさんの人が喜んで受け取ってくれるのがうれしいです」。ウタカ選手の愛されるキャラクターとも相まって、お面は大好評です。

ウタカ選手のお面
お面の裏にはメッセージも

 記者(サポーター見習い)も一つもらいました。お面の裏には「最高の1日に!!」という手書きのメッセージ。観客も試合を目いっぱい楽しんで、応援を盛り上げたい。お面はぴったりのアイテムなのかもしれません。

 

メッセージボード「GIO」。ゴール裏での観戦デビューをサポートしてくれます

 プロウタカ仮面職人の隣りには、メッセージボードを掲げる男性が。ボードには青地に白い文字で「G:ゴール裏で I:一緒に O:応援しませんか」と記載しています。ゴール裏で試合を見てみたいけど気後れしている初心者に、ゴール裏デビューしませんかというお誘いです。

 この男性「いっしゃん」は、大学進学で徳島を離れるのと同時期に徳島ヴォルティスがJリーグに参入したそうで、地元にJリーグチームができたことを喜び、ゴール裏で応援するようになりました。

 「僕はずっとゴール裏。ゴール裏は楽しいけど『初心者にはハードルが高い』という先入観がある。今季は勝利後タオル回しをしていることもあって、ゴール裏に興味のある人は今まで以上に多いはず。『誰かが隣りにいるならゴール裏に行ってみたい』と思う人のサポートができたら」と話しています。たしかに1人で飛び込むには、ちょっと勇気が必要なゴール裏。誰かと一緒に観戦すると、仲間が増えて楽しく過ごせますね。

 

 記者(サポーター見習い)は、この日もゴール裏で観戦。顔見知りのサポーターとあいさつをして、観戦準備を整えていると、高校生ヴォニータのあやのさんがゲーフラを差し出してくれました。あやのさんのお父さんが手作りした、杉本竜士選手のゲーフラです。

あやのさんに貸してもらった杉本竜士選手のゲーフラ

 「余っているのでぜひ掲げてください。記者さん、まだゲーフラを掲げる体験はしてないですよね?」。あやのさんは近くのサポーターにも手渡して、鮮やかなゲーフラがたくさん出そろいました。

 選手入場、選手の名前がコールされたとき…と、先輩サポーターたちの見よう見まねで掲げてチャントを歌います。選手を後押しできるように、できるだけ高く掲げたい…掲げることで応援する気持ちが高まるのか、チャントを歌う声にも力がこもります。

 ただ、日が暮れて風が心地よいのですが、ゲーフラも風にあおられるので、しっかり掲げるにはけっこう力が必要。向かい風だと自分が凧になって飛んでいきそうです。徳島のゴール裏では、ゲーフラを掲げるヴォニータが多いので、皆さん涼やかな顔で実は力仕事をしていたことに初めて気づきました。

 同じようにあやのさんから貸してもらったゲーフラを掲げていた男性は「自分もゲーフラを作ってみようかな」とつぶやいていました。掲げてみると、自分でこだわったゲーフラを手にしたいと思うようになるのかもしれません。

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 観客がますます一体になって応援できそうな先輩サポーターの取り組み。楽しく応援してチームの快進撃を後押ししたいですね。