阿波市阿波町清原の畑で11日、コウノトリ1羽が目撃された。コウノトリの野生復帰に取り組む千葉県野田市が放した個体で、餌を求めて飛来したとみられる。
見つけたのはアマチュアカメラマンの板東喜雄さん(66)=上板町七條。餌を探すように畑を歩いているところを写真に収めた。「想像もしなかった場所にいたので驚いた」と話した。
兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)によると、野田市が7月に放した3羽のうちの1羽。生後9カ月の雄で、名前は「翔(しょう)」という。体長は約1メートルで、成鳥とほぼ同じ大きさ。
同市は衛星利用測位システム(GPS)などを利用して追跡調査しており、翔は阿波市に飛来する前、関東や関西を移動していたという。
若い個体は餌を求めて移動することが多いため、同園は「阿波市で餌が多く取れた記憶が残れば、再び飛来する可能性はある。温かく見守ってほしい」としている。