100回目の記念大会となった全国高校野球選手権徳島大会は26日、決勝が行われ、鳴門が4-2で生光学園を破って優勝した。徳島県内の私学で初の甲子園出場を目指した生光学園は3度目の決勝進出となったものの、鳴門に一歩及ばなかった。
試合終了後、ベンチに戻った生光学園の選手たちは泣き崩れた。鳴門の校歌が流れる前で、月岡大成主将が「まだ終わってない。最後まできっちりしよう」と繰り返し、整列を促す。一人、二人と立ち上がり、悔しさをこらえて堂々と相手の校歌を聞く姿は印象的だった。
片付けが一段落した後、91人の部員が集まった。河野雅矢監督は「負けたと言うより負けさせてしまった。申し訳ない」と切り出し「3年生は歴史を塗り替えてくれるという勢いのある学年だった。徳島の高校野球に新たな生光の心象をつくってくれたのは間違いない」と力を込めた。最後に3年生に向けて「自分が苦しかったときに、仲間や後輩から声を掛けられた思いを忘れず、手を差し伸べられる人になってください。この2年半で培った人間力に自信を持って、人生の糧にしてほしい」と語り掛けた。甲子園出場の夢は後輩たちに託された。
100回目の徳島の夏は幕を閉じ、出場31校のうち、30校の3年生たちが引退した。試合後に行われた「最後のミーティング」では、それぞれの監督が「最後の言葉」で選手を送り出した。私からも全球児に「最後の言葉」を贈りたい。感動を、ありがとう。
(#夕刊編集部編集長)