逆転サヨナラ勝ちを収めた前日の準決勝直後、表情が緩む選手たちを一喝した。「失点は全部自分たちのミスからじゃないか。キャッチボールからやり直せ」。熱いげきが届いたのか、決勝は「(守りで)いつもひやひやする」という終盤を無失点で乗り切り、2年ぶりの栄冠をつかみ取った。

 2007年に母校・鳴門高で再び指揮を執り始め、12年間で7度目の夏制覇。徳島を代表する甲子園の常連校となったが昨年は県大会2回戦で散り、今夏は第1シードとしてプレッシャーも感じていただけに「教え子のコーチ陣やOBたちの支えのおかげ。みんなの力でつかんだ優勝」と感謝を口にする。

 指導のモットーは「継続こそ力なり」。常々「当たり前のことを根気よく繰り返す。その積み重ねが力となって現れる」と自らに言い聞かせる。

 2年生主体のチームは結成当初、甲子園で8強入りを果たした2年前の先輩らと比べられ、萎縮することもあった。「そんなときはいつも言うんです。先輩たちも同じ練習を繰り返して強くなり、目標を実現したんだと」。正面から向き合って鼓舞し続けた選手たちは、昨年の秋季大会から今夏まで無敗で乗り切り、甲子園の切符を手に入れた。

 節目となる第100回大会も「継続」の一つと捉え、気負いはない。「全国の強豪と戦うことでいろんな経験を積ませたい。それが来年、再来年に生きる」と表情を引き締め直す。

 鳴門市出身。黒崎小で野球を始め、鳴門一中、鳴門高では二塁手。法大でマネジャーとしてチームを支えた。撫養町で妻と2人暮らし。57歳。