「地震、雷、火事、おやじ」は世の中で恐ろしいものを順番に並べた言葉だ。想像を超えるほどのパワーを持つ地震と雷は、科学が発達した現代でも恐るべき存在だ。おやじが恐ろしかったのは昭和までだろう。

 江戸時代、徳島の大火は11回も発生した。1824(文政7)年、東新町の出火は家屋932軒を焼失させた。1672(寛文12)年は町家が新町に713軒…