古墳の石室などを赤く彩るために使った顔料「辰砂(しんしゃ)」の採取に使われた自然石の道具「石杵(いしぎね)」などの展示会「朱を考古学する」(県教委主催)が、阿南市富岡町の阿南市文化会館ラウンジで開かれている。来年1月6日まで。
展示されているのは阿南市水井町の若杉山遺跡などで採掘された石杵や石臼(いしうす)、辰砂など約80点。石杵は岩石に付着した辰砂を採るため、石臼の上で岩石を割ったり、つぶしたりするのに利用された。展示された石杵の多くが欠けたり、すり減ったりしている。
同遺跡には弥生時代中期から古墳時代後期に掛けて全国唯一の辰砂の採掘地があり、一帯は考古学的に貴重な場所として知られる。
県教委では本年度、同遺跡周辺の調査を行っている。調査の成果を26日午後1時半から同市文化会館で報告する。