小松島市金磯町出身の民間飛行士・幾原知重(1887~1914年)が1913年に同市で県内初飛行をした15日に合わせ、市民有志でつくる「イマジンクラブ」が同市小松島町のみなとオアシス交流広場で、小型無人機ドローンを使って上空からの景色を撮影した。幾原の飛行を映像で再現し、偉業を語り継ごうと企画した。20日に小松島みなと交流センターkocoloで、幾原を顕彰する催しを開き、映像を披露する。
交流広場は、幾原が複葉機で県内初飛行した際に飛び立った地点の近くにある。幾原が離陸した午後1時に合わせ、イマジンクラブの茨木文也さん(28)=同市中田町=がドローンを飛ばした。高さ30メートルまで上昇させ、その場で360度回転させて風景を撮影した。
ドローンなどの飛行を規制する改正航空法が10日施行され、人口集中地区では原則飛行禁止となっているが、国土交通省の許可を得て行った。
撮影には約10人が参加。幾原が交流広場近くから中田、日開野両町の上空を約6キロ飛んだことや、ブラジルの飛行学校の教官になることが決まっていたが、飛行士がまだ少なかった日本のために帰国したといったエピソードを語り合った。
幾原の兄の孫に当たる敏典さん(75)=金磯町=は「日本の航空史に貢献してきたことをあらためて感じた」と感慨深げだった。
20日の催しは午後1時から。これまでに空撮した映像を流して幾原の飛行ルートを紹介するほか、資料の展示やドローンの飛行実演を行う。