海陽町浅川で地元農産物を素材にした菓子作りに取り組んでいる農業丸岡華代子さん(58)が、海部郡特産の促成キュウリを使ったスイーツを開発した。意外な組み合わせでキュウリをアピールするのが狙いで、近く町内の道の駅などで販売を始める。
スイーツはバニラアイスクリームとババロア(各税込み200円)、ケーキ(1切れ150円)の3種類で、いずれもキュウリをすりおろして練り込んだ。アイスとババロアはキュウリの色彩や香りを保ちつつ、味はほんのりと感じる程度に抑え、ケーキは小豆とバターをアクセントに加えた。
海部郡は、シーズンオフの11~6月に出荷される促成キュウリの生産量が県内一を誇る。しかし、高齢化で生産者が減少しており、今後、産地の維持が難しくなる恐れがある。このため、JAかいふ、県、郡内3町などが今年6月、産地再生を図る「きゅうりタウン構想」をスタートさせた。
丸岡さんは、この動きに呼応し、4カ月かけて商品を完成させた。自宅近くの菓子工房で手作りし、海陽町久保の道の駅宍喰温泉内にある「すぎのこ市場」などで販売する予定。要望があれば講習会を開いてレシピを紹介し、キュウリのPRに一役買う。
丸岡さんは「キュウリは味の主張がないため、スイーツでもサラダでも何にでも合う。これをきっかけに、多くの人に海部郡産のキュウリに興味を持ってもらいたい」と話している。