体幹トレーニングは今や国内トップ選手の必須メニューといえる。草分けの一人が、サッカー日本代表の長友佑都選手。その長友選手が推薦する「けんせつ体幹体操」をご存じだろうか。完成したのは2年前。生みの親は徳島県建設業協会である

 体操の長さは2分半。肩甲骨や股関節、アキレス腱(けん)などあちこちの部位をゆっくり、大きく、軽快な音楽に合わせてストレッチする。柔軟運動と違い、内臓を守る筋肉までとことん「鍛える」のが特徴らしい

 長友選手ら数々のトップ選手を支えるトレーナーが監修した。協会の招きで徳島へ講演に訪れた際、建設現場での労災が話題になった。「体幹を鍛えれば事故を減らせる」。後はとんとん拍子。現場での転倒やつまずきを防ぐには―などと考え、動きを一つ一つ編み出した

 県内では昨年、労災で839人が死傷した。長らく減少傾向にあったが、最近10年は下げ止まっている。「体操の効果を数字に出したい」と協会幹部。長友選手がW杯で見せた活躍を思えば、明るい見通しか

 県内外の大手業者を中心に実践が広がっているという。過重労働や寡少人員といった不当な労働行為が減ることも、併せて望みたい

 インターネットで検索すれば、誰でも動画を見られる。むろん健康づくりにも有効だ。徳島発の体幹体操を、さあ、ご一緒に。