西日本豪雨などの影響で来場者の落ち込みが続いている渦の道=鳴門市鳴門町

 西日本豪雨で徳島県内の観光地が打撃を受けている。道路被害の大きかった三好市では祖谷のかずら橋の客足が途絶え、周辺の宿泊施設ではキャンセルが相次いだ。渦の道(鳴門市)の来場者が落ち込むなど、被害の少なかった地域にも影響が広がっている。被災地の復旧の遅れから、中四国を巡るツアー客やインバウンド(訪日外国人旅行者)が敬遠しており、関係者は安全性のPRに懸命だ。

 祖谷のかずら橋(三好市西祖谷山村)は、アクセス道となる国道32号や高知自動車道の通行規制が解除された後も客足は戻らず、7月の人出は昨年の約6割にとどまった。隣接するイベント広場「かずら橋夢舞台」に止まるバスは1日平均15台と約半数で、担当者は「閑古鳥が鳴いているよう。書き入れ時のお盆に向け、客は戻ってくるのだろうか」と気をもむ。

 近くのホテルかずら橋では、6~20日のキャンセル客が約500人に上った。混乱はようやく収まってきたが、交通アクセスや被害状況に関する問い合わせが相次いでおり、谷口栄司専務は「大丈夫だということを丁寧に説明していきたい」と言う。

 祖谷温泉(同市池田町松尾)は今月中旬ごろまで宿泊キャンセルが相次ぎ、夏休みの予約も伸び悩んでいる。市内では近年、訪日外国人旅行者が急増しており、植田佳宏社長は「大阪府北部地震の発生から西日本豪雨までの期間が短く、外国人は日本が危険だと誤解しているのかもしれない」と懸念する。

 一方、風評被害で観光客が減っているとみられるのが鳴門市の渦の道。「被災地に近い」とのマイナスイメージに猛暑の影響も加わり、7月の入場者数は26日時点で2万7210人と、昨年の同時期より7302人(21・2%)減った。

 中四国を巡るツアー客の主な目的地は広島、岡山、愛媛だが、徳島に立ち寄るルートも少なくない。三好市の主要ホテルでつくる大歩危・祖谷いってみる会は、会員制交流サイト(SNS)などで「平常営業しています」「安心してお越しください」などと懸命にアピールしている。