徳島県阿波市の市場中学校で、職員室の金庫に保管していた現金約40万円がなくなり、同校の50代女性教諭が無断で持ち出していたことが20日、関係者への取材で分かった。徳島新聞の取材に対し、女性教諭は「取り返しのつかないことをした」と現金を持ち出した事実を認めている。
学校によると、紛失が発覚したのは11日。現金は2年生の保護者から集めた教材費で、会計を担当する別の教諭が銀行で下ろし、10日午後2時半ごろに金庫に入れた。この教諭が11日正午ごろ、業者への支払いのため金庫を開けたところ、現金がなかった。
三浦俊之校長が同日、阿波吉野川署に被害届を提出。職員室に荒らされた形跡はなく、ほかに被害は確認されていない。全ての教職員が金庫の開け方を知っている状況だったという。
取材に対し女性教諭は、現金を持ち出した理由について「金が欲しかったわけでなく、自分でもなぜやったのか分からない。職場の人間関係などのストレスがピークだった」と説明。現金の所在に関しては「どこかに捨てたと思うが、当時の記憶は断片的で覚えていない。関係者に大変申し訳ない」と話し、弁償の意思を示している。
市教委の坂東英司教育長は「現金の紛失はあってはならず大変遺憾。捜査の推移を見守りながら、事実関係の把握に努める」とコメントした。