コンペに応募した作品を選考する審査会メンバー=美波町西の地の由岐公民館

 南海トラフ巨大地震による津波に備え、高台移転構想を描く美波町由岐地区の3自主防災会や県建築士会などが移転先の住宅団地のデザインを募ったコンペ(設計競技)の審査会が21日あり、高瀬善郎さん(61)=小松島市坂野町、会社員=ら建築士3人が設計した作品が最優秀に選ばれた。自主防災会では、被災前に復興の道筋を決めておく「事前復興」の計画づくりに作品のアイデアを生かす考えだ。

 デザインは、同町西の地の高台(海抜20メートル)を想定し、県産木材を使った15戸程度の住宅と備蓄倉庫、避難所などを設けることを条件に公募。県内外の建築士や徳島大の学生ら22組(51人)から1点ずつ応募があった。

 徳島大大学院の山中英生(ひでお)教授(都市計画)や影治信良町長ら5人が、住民同士が交流しやすいかや実現性が高いかといった基準で審査。高瀬さんらの作品を含む7点を優秀作品に選んだ。

 高瀬さんらの作品は、住宅をコの字形に並べ、住宅に挟まれたスペースに桜並木の公園を整備。団地の周囲には幅5メートルの回遊道路を設けるなど交流が生まれやすい工夫を凝らした。2016年1月16日から3月13日まで、同町西の地の由岐駅ぽっぽマリンで図面と模型が展示される。

 町自主防災会連合会の酒井勝利会長(71)は「熱意を感じる作品ばかりで、移転後の集落のイメージが湧いた。移転構想の実現に向け、前に進んでいきたい」と話していた。