昨年12月に県西部で発生した大雪被害を受け、東みよし町は22日、山間地の集落4カ所に携帯電話や無線機を充電できる防犯灯を設置した。停電が長期間に及んだ場合でも携帯電話などの電池切れを防ぎ、住民の安否を確認できるようにするのが狙い。県内での設置は初めて。
防犯灯は高さ約4メートルで、LED照明と太陽光発電パネル、蓄電池を組み合わせている。地上約1・5メートルの高さに金属製の箱があり、200ワットまで充電できるコンセントが2口収納されている。普段は防犯灯として夜間に点灯し、スイッチを切り替えるとコンセントから充電できる。
昨年の雪で孤立した大藤地区の西部落集会所前とヘリポート、奥村地区の民家近くの3カ所と、土砂災害で孤立する恐れのある水の丸地区に設置した。
町では昨年12月、雪の重みで木が倒れて道路がふさがれ、42世帯62人が孤立した。電線も切れて最長で6日間停電し、孤立した集落の住民は携帯電話の充電が切れるなどしたため、外部との連絡を取るのが難しかった。同町毛田の遠藤ナカエさん(81)は「あのときは県外にいる子どもに無事が伝えられず困った」と話す。
町は6月補正予算に340万円(うち県補助150万円)を計上。大阪府のメーカーが製造した。
町の危機管理担当者は「地震で山腹崩壊が起き、孤立する事態も考えられる。迅速に安否確認できるように努めたい」と話している。