民宿開業の準備を進める秋山さん(右)=勝浦町坂本

 勝浦町の元地域おこし協力隊員、秋山諒太さん(29)が、同町坂本にある築100年を超える古民家を活用した民宿をオープンさせる。利用者が宿泊費を支払う際、「恩送り代」として金額を上乗せしてもらい、次の利用者の宿泊費などに充てるのが特徴。金額に指定はなく利用者の厚意に任せる。仕事で訪れた人もオフィスとして使える。9月中の開業を目指している。

 秋山さんは神奈川県厚木市出身。東京のウェブデザイン会社で3年間勤めた。田舎暮らしに憧れ、2014年6月、地域おこし協力隊員としてデザイナーを募集していた勝浦町に移り、17年6月の任期終了後も住んでいる。

 町内外の人が交流する場をつくろうと、町内の農家から築114年の空き家(木造2階建て延べ約480平方メートル)を借りて民宿を始める。

 民宿の名称は「恩送りの宿 民泊オフィス『ちょ』」。「ちょ」は「ちょっと」の略で「ちょっと立ち寄る。ちょっと仕事する。ちょっと話せる」など、気軽に使ってもらいたい気持ちを込めた。宿泊費は相部屋で2200円を予定している。

 秋山さんは「恩送りが伝わることで、みんなが幸せな気分になればうれしい。にぎわいが生まれる場にしたい」と話している。