徳島市の徳島城博物館で28日、国宝の名刀や国指定重要文化財の茶器など39点を紹介する特別展「新たな国民のたから」(文化庁、同館主催)が始まった。8月26日まで。
徳川四天王の一人、本多忠勝が所持していた国宝の刀「金象嵌銘 正宗本阿」などの大名家伝来の名宝をはじめ、千利休に従って楽焼を創始した初代長次郎の「黒楽茶碗 銘ムキ栗」など、武家文化の精華を示す名品が並ぶ。
平安末期の歌人西行の生涯を流麗な筆墨と清澄な色彩で描いた絵巻物「西行物語絵詞」や、川面にホタルが舞う情景を表した「宇治川蛍蒔絵料紙箱硯箱」といった徳島藩主・蜂須賀家ゆかりの宝物も展示され、来館者の興味を引いていた。
重文の「短刀 銘吉光」(通称・藤四郎)に見入っていた城ノ内高1年の斎賀玲那さん(15)は「精巧に作られていて、刃の輝きも違う。徳島で見られるとは」と感激していた。
開会式には、宮田亮平文化庁長官が出席した。