名西高校(石井町)相撲部の稽古に小学生2人が参加し、土俵を活気付けている。真っすぐに相撲と向き合う2人の姿は高校生にも刺激を与えている。
石井町の相田和哉君(12)=高原小6年=と、徳島市の市川大義君(10)=加茂名南小4年=は、7月から週3回、約2時間にわたって高校生部員4人と稽古に汗を流している。四股やすり足、立ち会い練習、ぶつかり稽古などメニューは高校生と同じだ。
身長156センチ、83キロの相田君は野球から転向した。体格が良く、自然と相撲に興味を持った。
143センチ、52キロの市川君は2年前、大関時代の鶴竜(現横綱)と徳島市のすし屋で偶然会い、土俵に立ちたいと思った。当初心配した母親も「大義が自分から何かをやりたいと言ったのは初めて」と応援に回った。
2人が稽古に参加したいと同校相撲部に申し出た。今は相撲の基本を学んでおり、同部の岩川大助監督(42)から「和哉、相手に当たる瞬間は息を吐くな。力が逃げる」「大義はしっかり脇を締めて。足を使って押すんぞ」との声が飛ぶ。
岩川監督は「強くなろうという気持ちが強く、高校生へのアドバイスも、自分の事のように聞いている」と話している。
鳥取蓮主将(17)=2年=は「相撲に関心を持ってくれてうれしい。僕たちも負けてはいられない」と力を込める。
相田君は「練習はきついけれど、楽しい。高校まで続けるつもり」。市川君は「鶴竜を目指して頑張りたい」と意気込んでいる。