阿波市土成町で25日夜、クリスマスに合わせた「冬の花火」が打ち上げられた。地元商店主らでつくる「どなり元気店会」が、聖夜にかなえたい願い事を寄せてもらう「夢ポスト」のメーン行事として実施。30発の花火が冬の夜空を鮮やかに染め上げ、家族連れら約50人を魅了した。
イベントは土成町土成の結婚式場・ハートプラザ住友で、午後7時半にスタート。赤や緑のクリスマスカラーをイメージした花火が次々に上がり、夜空を焦がした。事前に打ち上げを知らせないサプライズ演出だったため、来場者は驚きながらも拍手を送ったり、歓声を上げたりして、冬空に咲く大輪に見とれていた。
小売店や飲食店でつくる元気店会は11月1日~12月15日、土成中央公園(同町吉田)に夢ポストを設置。市内外の247人から、願い事が寄せられた。今年はこのうち、3人が希望した「冬に花火が見たい」を含む14件の夢を25日に実現させた。
会場では今回採用された願い事を投函(とうかん)した子どもたちに集まってもらい、プレゼントを贈った。
会員がサンタクロースに扮(ふん)して、レターセットやラグビーボールなどを手渡し「おばあちゃんに手紙を書きたい」「ラグビーの五郎丸選手みたいになりたい」といった夢に応えた。
夢ポストは2011年に始まり、14年までに34件の夢を実現させているが、花火打ち上げは初めて。今年は市制10周年記念事業として、30万円の補助を受けた。
花火の願い事を夢ポストに投函した阿波高2年の渋谷寧音(ねね)さん(16)は「まさか、夢がかなうとは思っていなかった。空気が澄んでいて想像以上にきれいだった」と喜んでいた。