海陽町の徳島海南天文台が31日に町役場海南庁舎で開く「火星観察会」に、町営国民宿舎みとこ荘(2007年閉館)にあった天体望遠鏡が11年ぶりにお目見えする。町の倉庫で保管していた望遠鏡を天文台が手入れし、地球に最接近する火星の赤い輝きを観察してもらう。
望遠鏡は、みとこ荘にあったカノープス天文台が所蔵していた口径150ミリの屈折望遠鏡。天候が良ければ土星なども観察できる。閉館の際に「貴重な望遠鏡を捨てるのはもったいない」と海南天文台が呼び掛け、町が保管していた。
天文台事務局の丸岡一洋さん(60)=同町四方原=が、火星と地球が15年ぶりに最接近する絶好の機会に合わせ、望遠鏡の復活を決めた。今月中旬からほこりやさびを拭き取ったり、固定器具を修理したりした。
丸岡さんは「昔、みとこ荘で星空を見た人も多いはず。懐かしむ気持ちで観察会を楽しんでほしい」と話している。
観察会は31日午後8~10時に町役場海南庁舎の駐車場で開く。参加無料。