同行援護のサービスを利用し外出する池田さん(左)=鳴門市撫養町南浜

 視覚障害者の外出に付き添って手助けする「同行援護」を行う福祉サービス事業所が徳島県内で増えている。事業が制度化された2011年度の74カ所から、15年度(12月1日時点)は130カ所に増加。障害者団体は需要の高まりが背景にあるとみて一定の評価をする一方、利用時間制限などの課題改善を求める。

 県障がい福祉課によると、同行援護は11年10月の障害者自立支援法改正で導入された。視覚障害者が外出する際、介助者が歩行やトイレの手助けなどを行う。事業所は県に申請し、指定を受ければサービスを提供できる。

 視覚障害者への付き添いは同法の地域生活支援事業に基づく「移動支援」として行われていたが、市町村によって内容にばらつきがあったため、全国一律の制度が導入された。

 鳴門市視覚障害者会の池田梅一会長(71)=同市撫養町南浜=は会合出席などのために週2、3回利用する。移動支援と違い、介助者による文書代読や代筆も認められているので「外出先で資料を読み書きするのに助かる」と話す。

 池田さんにサービスを提供するヘルパーステーションいろは(同市大麻町姫田)では、11年度に7、8人だった利用者が現在は19人に。豊岡敬子代表(54)は「需要は高く、今後もサービスに力を入れたい」と言う。

 県視覚障害者連合会の久米清美会長(68)=石井町石井、鍼灸師=は「県の研修充実で介助者の技術が上がっている。それが利用者増を促し、事業所参入につながっているのでは」と分析する。

 一方で「選択肢が広がるのはいいが、問題もある」と指摘する。その一つが利用時間の制限だ。

 利用時間上限決定は自治体の裁量で、鳴門市は月40時間(身体介護を伴えば20時間)、徳島市は一律35時間。両市の視覚障害者会は「それだけでは足りない人がいる」と、上限引き上げを求める。

 またサービス利用の負担は課税者が1割、非課税者は無料だが、交通費は介助者の分も含めて全額負担。久米会長は「家にこもりがちな視覚障害者の社会参加を促す上で同行援護は欠かせない。国、県、市町村挙げて、より使いやすくしてほしい」と訴えている。