3万体のひな人形の飾り付けで有名な勝浦町の「ビッグひな祭り」が、2016年夏のリオデジャネイロ五輪の期間中、現地で展示されることが正式に決まった。展示を計画したNPO法人日本スポーツ芸術協会(東京)から、ビッグひな祭りを手掛けるNPO法人阿波勝浦井戸端塾に連絡があった。井戸端塾は、ひな人形約5千体をリオへ送る。
展示場所は現地の文化施設などが候補に挙がっており、早ければ16年1月に確定する。井戸端塾は保管するひな人形から、保存状態の良いものを選び、5月上旬までにコンテナ船で発送する計画。人形の数については現地の要望次第で増える可能性もあるという。
飾り方は、ビッグひな祭りのメーン展示にならってピラミッド型とするか、壁沿いに並べるかの2パターンで検討している。リオ五輪(8月5~21日)、同パラリンピック(9月7~18日)に合わせて展示する計画で、終了後は現地の日系商工会議所や日本人会などに寄贈する方針だ。
ビッグひな祭りのリオ行きは、同町棚野出身で日本スポーツ芸術協会の相原茂明事務局長(68)が発案。14年10月、阿波勝浦井戸端塾に協力を求めていた。相原事務局長は「リオで日本の文化を紹介できることになり、うれしい」と話している。
ビッグひな祭りの海外進出は、井戸端塾の初代理事長で14年に死去した殿川武男さんの念願だった。稲井稔理事長(76)は「殿川さんが望んでいた海外展開が実現することになり、感無量だ」と喜びを語った。