板野町黒谷の四国霊場4番札所・大日寺で2016年1月3日、弘法大師空海を供養する「正月御影供(みえく)」が60年ぶりに営まれる。大師堂にある弘法大師像の修繕と、大師堂の改修工事が終わったことから、お披露目を兼ねての復活となった。
正月御影供は午後2時から大師堂であり、弘法大師像(高さ約40センチ)と、昼夜の大師が描かれた「両面大師」と呼ばれる2枚の肖像画(いずれも縦2・5メートル、横1・1メートル)を前に、真鍋俊照(しゅんしょう)名誉住職(76)が約1時間、読経と法話を行う。
大師堂は一般公開され、自由に拝観できる。参拝者には、曼荼羅(まんだら)研究の第一人者の真鍋名誉住職が、花びらをかたどった紙に「南無大師遍照金剛」の法号と仏を描いた「マンダラサンゲ」が配られる。
大日寺は2014年から5カ年計画で、寺や仏像を修理する大規模な改修工事を行っている。今年は、傷みの激しかった弘法大師像を修繕し、大師堂の屋根を直した。
正月御影供は、真言宗の宗祖である弘法大師に感謝を伝えるとともに、新年に四国遍路を始める人を送り出す行事。真鍋名誉住職によると、大日寺では江戸時代中期の1763年ごろに始まり、真鍋名誉住職の祖父の故・戒善(かいぜん)さんが亡くなった1955年ごろまで続いた。四国の他の札所では行われていない。
真鍋名誉住職は「いつかは復活させたいと思っていた。大師像を修繕して迎える新年が良い機会だと思った。途切れさせることなく続けていきたい」と話している。