2004年の結成から11年目を迎えた兵庫県伊丹市の阿波踊り連「深雪連」。3歳から80代までの連員約30人のリーダーとして、関西で阿波踊りの魅力を伝えている。
老人ホームや地域のイベントで乱舞を披露するほか、徳島出身者が経営する大阪の居酒屋などで月1回、ライブ出演。関西阿波おどり協会の一員として大阪や奈良など関西各地にも踊り込む。「阿波踊りは、ばかが付くほど好き。祖谷の粉ひき節など徳島に昔からある民謡も取り入れ、静と動のメリハリが付いた見る人が楽しめる踊りを目指しています」
徳島市津田本町出身。7人きょうだいの6番目に生まれ、高校に通いながらサンダル製造会社などで働いた。手に職を付けるため、高校を中退して美容専門学校へ。県外に出て修業を重ね、伊丹市に美容室を開いた。
連の結成は、近くの伊丹市生涯学習センターの依頼を受けて開いていた阿波踊り講座がきっかけ。幼いころから津田の盆踊りを見たり、阿波踊りをしたりと踊りは身近で「あの楽しさを地域の人にも味わってほしい」と呼び掛けた。
母親の名前を付けた連は、徳島県出身者や2年前に亡くなった夫豊一さんら数人でスタート。鳴り物や浴衣をそろえ、活動を徐々に広げた。三味線を担当する長女の池元幸代さん(45)、孫の千博ちゃん(6)、深雪ちゃん(3)も加わり、徳島市の阿波踊りにも毎年踊り込んでいる。
持ち前の面倒見の良さから伊丹市の女性経営者らでつくる伊丹商工会議所女性会の会長も務める。「よく『親分肌』と言われます」と豪快に笑う。帰郷で楽しみにしているのが古里の味。「なじみの店のういろうやかまぼこの味は格別。古里にはいつも元気を分けてもらっています」。
よしや・ひでこ 徳島市出身。城東高校(定時制)中退。徳島市の美容専門学校を卒業後、兵庫県伊丹、尼崎両市の美容室勤務などを経て、1988年に伊丹市に「パーマハウス美音来(びおら)」を開設し、現在はカラオケスタジオなども経営。2004年5月、「深雪連」を結成した。伊丹市在住。74歳。