オンラインゲームもテレビゲームも楽しい。しかし、やり過ぎれば、日常生活にも支障を来すことになる。

 世界保健機関(WHO)がそんな「ゲーム障害」を新たな疾病に認定。依存症の一つとして「国際疾病分類」の最新版に加えた。その意義は大きいといえる。

 最新版は来年5月のWHO総会で採択され、2022年1月から施行される。

 これまで正式名称がなく、精神・行動障害のうち「その他の習慣および衝動の障害」に分類されてきた。今回の認定を機に、治療法の確立と併せて、予防にも力を入れることが重要だ。

 もちろん、ゲームをするのが悪いわけではない。ただ、ゲームには依存性があるという専門医の指摘を軽視してはならない。

 WHO当局者は「概算でゲームをしている人の2~3%がゲーム障害とみられる」という。対策は急務だ。

 ゲーム障害は、ゲームをしたいという衝動を抑えきれずに、ゲームを優先した生活になり、健康を損なうなどの問題が起きても続けてしまう特徴がある―と定義された。家族や社会、学業、仕事に重大な支障が起き、症状が少なくとも12カ月続いている場合に診断できるとした。

 今回の認定を受けて、厚生労働省が患者数や相談件数などの実態把握とともに、対策に乗り出す姿勢を示したのは当然だろう。

 過度に依存してしまうのは若者が多い。ゲームに夢中になり、昼夜が逆転したり、学校を無断で欠席したりするケースがあるという。

 13年の厚労省の調査では、中高生の51万8千人がインターネットの「病的な使用」が疑われると指摘されていたが、近年のスマートフォンやタブレット端末の普及に伴って、その数は増えているのではないか。

 日本だけの問題ではない。韓国では、過去にネットカフェで86時間、ほとんど寝ずにゲームをした20代男性が死亡している。14年には、20代の男がネットカフェに入り浸って、家に残した2歳の息子を餓死させたという例もある。17年の調査では、全人口の推計18・6%がネット・スマホへの「過剰依存危険群」に属するとし、事態の深刻化をうかがわせる。

 心配なのは、ゲーム人口の低年齢化だ。内閣府が17年度に10~17歳を対象にしたネットの利用状況の調査では、回答した3288人の82%が、スマホやタブレットなどでゲームを中心に、ネットを利用していることが分かった。

 中国では、6~10歳の16%以上が5歳前にゲームと接し、子どものオンラインゲーム禁止を含めた対策が議論されているという。

 利用が過剰になれば、精神衛生や発育などの面でも悪影響を及ぼしかねない。折しも夏休み。適切な使い方や利用時間などを家庭で、しっかりと話し合うことが大切だ。