ピアノの公演や個人指導をはじめ、徳島少年少女合唱団の海外公演や姫路市児童合唱団のピアノ伴奏も務めるなど広く活動している。
 
 徳島少年少女合唱団の海外公演は2001年から参加。途中で県外に移った後も合唱団と会場が一体となった空気感や幸せな気持ちが忘れられず、参加を続けている。昨年は同合唱団と姫路市児童合唱団との歌声共演も実現した。
 
 幼いころから、鳴門教育大学などで教授を務めた故石井永子さんらに学び、ピアノの世界へ。専門的に学ぶうち、楽譜の中に作曲家の意図が隠されていることに気付く。時代背景を含め深く読み取ることで、表現が豊かになることも知った。
 
 「難しいパズルを解いたり、推理小説を読んだりするようで、心がときめくようになりました」
 県人二世で研究職の夫能顕さん(48)との結婚を機に兵庫県へ。2人の子どもの育児で忙しい時期もあったが「家族の協力をはじめ、近所に子どもを預けられる人を見つけたり、個人指導を引き受ける条件として保護者に子守を頼んだりと、いろいろ助けてもらいました」と振り返る。
 
 最近、児童番組の「歌のお姉さん」を務めた歌手と幼稚園や小中学校などを回り、歌とピアノの公演をしている。運動会や卒業式ではやりの歌が流れることが多くなり、クラシックや童謡、唱歌を聴く機会が減っていることが活動のきっかけだった。
 
 「私はクラシックからバンド音楽まで幅広く聴きますが、それぞれに魅力があります。子どもたちにもいろんなジャンルに親しんでほしい」と力を込める。
 
 古里へは家族と年1回は帰省する。「自然が豊かで大好き。徳島県内は音楽を学べる大学も充実して、音楽的にもいい環境ですよ」。

 かわの・よしの 北島町出身。城ノ内高校卒。桐朋学園短期大学部(ピアノ専攻)を経て、桐朋学園大学研究科修了。結婚を機に1999年、兵庫県揖保川町に移り、現在は姫路市在住。45歳。