法人なら不動産取引や知的財産など、個人なら刑事、労働、離婚・相続などと、勤務する法律事務所が扱う分野は幅広い。さらに、母校の早稲田大大学院で後輩の指導に当たっているほか、スポーツ法務に関する調査・研究活動も精力的に続けている。
弁護活動を行う上で大切にしているのは「クライアントとの信頼関係」と迷いなく話す。「大きな問題に直面している人を絶対に助けることができるよう、自己研さんに励みたい。海外の弁護士資格も取得したいですね」
テレビのヒーロー番組が大好きだった子どものころ、「弁護士は、弱い人を助ける正義のヒーローみたいな職業」と教えてくれた伯父の言葉が、弁護士を目指すきっかけになったと振り返る。もとより今では「正義と悪は簡単に分けられない」と実感していることから、紛争が生じないように予防的な仕組みをつくることも大事だと強調する。
昨年、徳島県内で事業を立ち上げようとする法人をサポートした際、「官民を問わず充実した受け入れ態勢が整っている」と感じ、頼もしく思えたという。「地域に新たな事業を呼び込むそうした取り組みを首都圏でしっかりとPRできれば、徳島への移住者が増え、地域を活気づけられるのでは」と指摘する。
徳島県のブランド戦略コンセプト「vs東京」についても「地方から『何かやってやるぞ』というエネルギーを強く感じました。そうした姿勢はとても大切ですね」。
高校時代はラグビー部に所属し、吉野川河川敷グラウンドを駆け巡った。「これまで大事な局面で踏ん張ってこられたのは、あの頃の厳しい練習を乗り越えてきたから。その意味で、自分の原点のような場所であり、帰省した際にふらりと立ち寄って気持ちを整理しています」。
さとう・たかふみ 徳島市出身。城東高校、早稲田大法学部卒。早大大学院法務研究科修了。2011年に司法試験合格。現在、東京・日本橋にある吉野総合法律事務所で勤務。14年4月から早大大学院でアカデミック・アドバイザーも務める。東京都新宿区在住。27歳。