2014年2月、徳島県出身で初めてのJR四国の女性運転士となった。高徳線の特急「うずしお」をはじめ、瀬戸大橋線や土讃線、予讃線の特急、普通列車に乗務している。笑顔を絶やさない初々しい制服姿に乗客の人気は上々。「緊張の連続」と言いながらも「やりがいのある仕事。経験を積んで安全、安心の運行を心掛けたい」と張り切っている。
 
 鷲敷中時代によく乗った列車の乗務員の制服姿に「格好いい。列車の運転士になりたい」と憧れた。那賀高を卒業して08年4月にJR四国に就職した。初めて配属になった高知駅で駅員として改札や切符販売、アナウンスなどを担当し「難しいけど、誠意を持って取り組めば成長できる」と思い、仕事に没頭した。
 
 09年11月から4年間車掌を経験し13年7月から3カ月間の研修を経て、10月に運転士見習いになった。ブレーキのかけ方やスピードの上げ方、カーブでの減速法など学ぶことは多い。「車掌と運転士では線路や景色の見え方が全く違う。驚きの連続だった」と振り返る。
 
 ディーゼルエンジンの気動車を運転する免許を取得し、丸1年。多い日は6本の列車の運転を任され「大切な命を預かる仕事で責任重大。緊張で体重が6キロ減った」と苦笑いする。
 
 現在、JR四国では女性運転士8人が活躍。徳島県出身の後輩も2人誕生した。「まだまだ経験不足だが、もしもの時に冷静に対処できるように努力している。後輩たちの手本になれるよう頑張る」と言い切る。
 
 高松市のアパートで1人暮らしだが、休日は父(56)母(54)が住む那賀町の実家に帰る。「友達がたくさんいるし、静かで自然いっぱいの那賀町が一番落ち着く。将来は最寄りの桑野駅を走る牟岐線の列車で運転士をしたい」と目を輝かせた。
 
 なかごう・めい 那賀町出身。阿井小、鷲敷中、那賀高卒。2008年4月にJR四国入社。研修、見習い期間を経て14年2月に徳島県人初の女性運転士となり高松運転所に所属。高徳線や土讃線、予讃線、瀬戸大橋線で乗務している。高松市で1人暮らし。25歳。