「会社の資源は人、物、金です。このうち、人の活性化を担当しています。会社の業績向上だけでなく、従業員の幸せにもつながる大切な仕事です」

 大阪市の積水化学工業本社にある大阪相談室を拠点に、グループ会社を含む新入社員や管理職、役員など多くの従業員のメンタルヘルス、職場活性化に向けた研修・カウンセリングに取り組んでいる。

 今、重視しているのが管理職の傾聴研修だ。上司に当たる中高年世代と部下の若者世代では、世代間のストレス耐性や会話力が大きく変わる。ところが、中高年の意識はほぼ昔のまま変わっていない。

 「部下が間違っているとすぐに怒ったり、指導したりする上司がいるが、それでは部下が育たない。職場の雰囲気も悪くなる。まずは話をじっくり聴き、適切な助言をして気付きや内省を与えることが大事」

 メンタルヘルスは、精神を病んでいる人が対象と思われがちだ。しかし、相談室では健常者にも積極的にカウンセリングを受けてもらう。新たな気持ちで業務に取り組んでもらうリフレッシュカウンセリングに力を注ぐ。欧米では集中力や精神安定が必要なスポーツ選手や俳優にも取り入れられているという。

 積水化学工業では営業、管理部門を長く担当。3年前に本社大阪相談室長になり、産業カウンセラーなどの資格を取得した。家族を含めて人間関係で悩む人は少なくないが「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられるとの言葉があるように、自身の相手への受け止め方をプラスに変えると、気持ちが楽になったり、新たな道が開けたりしますよ」。

 古里への思いは強く、帰省は気持ちを変える。「古里の懐かしい風景には癒やされます」。

 やの・まさふみ 鳴門市出身。徳島市立高校、中央大経済学部卒。1980年、積水化学工業に入社。関連会社の名古屋セキスイハイム取締役総務部長などを経て、2012年4月から積水化学工業CSR部セキスイサポートセンター大阪相談室長。大阪市淀川区在住。58歳。