NTTの事業多角化の一環で1995年に設立され、インターネットのプロバイダー事業や「ひかりTV」などの映像配信サービスを手掛けるグループ企業のトップに就いて16年余りが過ぎた。就任時は約8億円だった売上高を95倍の約762億円(2013年度)に躍進させたほか、ひかりTVを国内最大の映像配信サービスに育て上げた。
「債務超過状態だった会社を就任から半年で黒字転換させ、成長軌道に乗せることができた。普通のサラリーマン生活ではなかなか味わえない貴重な体験でした」と振り返り、「15年度は売上高を(就任時の)100倍以上にしたい」と鼻息は荒い。
これからの課題は、国内に張り巡らされたブロードバンド網を活用した新たなサービスをいち早く提供し、常に業界トップシェアを追求することだ。鍵を握るのは「次世代高画質の4K配信サービスやスマートTVの普及拡大」と強調した上で「これまでと同様、日本初、業界初のサービスを毎年一つは出していきたい」と意気込みを語る。
東京一極集中の是正に向けた地方の挑戦が、徳島県内でも本格化しつつある。「人口減少を食い止めるには、大塚製薬や日亜化学工業のようなグローバル企業を生み出す環境を整えないと」
「企業はビジネスのしやすい地域に集まる。若者の雇用創出を目指すのであれば、企業活動への手厚い支援策がポイントになるのでは。そうした施策を打ち出すのは自治体の役割でしょう」
「誇るべき特色はたくさんあるのに、全国的に知られているのは阿波踊りくらい」と指摘し、発信力に磨きを掛ける必要があるとアドバイスする。「国内外で活躍する優秀な人材を集め、徳島の魅力を効果的に発信する仕組みづくりを急いでほしい」。
ばんどう・こうじ 徳島市出身。城南高校、徳島大工学部卒。1977年、日本電信電話公社(現NTT)入社。長距離事業本部通信網システム部担当部長、マルチメディアビジネス開発部担当部長などを経て、98年7月から現職。川崎市在住。61歳。
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