JA大津(鳴門市)とJA松茂(松茂町)が合併して1日付で誕生したJA大津松茂。地域農協の役割を高める政府の農協改革が進行中だけに、トップのかじ取りが注目される。
改革にはJA側の反発も強いが「農業を成長産業にしようという点で、われわれと政府の方針は一致している」と協調姿勢を示し、「若い担い手を育てるためにも、もうかる農業を実現したい」。農家の所得向上を最大の課題に掲げ、意欲を燃やす。
両JAが合併したのは、サツマイモ、レンコン、ダイコン、ナシと主要作物が同じだったことが大きい。販売額減少や担い手不足といった課題を共有しており、スケールメリットを生かすのが目的だ。「量を求める大型スーパーの注文に対応しやすいし、資機材もより安く購入できる」と合併の意義を強調する。
新JAでは主要作物のブランド力向上に力を入れる方針で、「品質を上げれば、同じ労力でも実入りが良くなる。形や味のいいものを安定生産することがもうかる農業につながる」と力説する。「品質の根本にあるのが土作り」と、土壌改良の営農指導を強化し、いいものをより高く売るため、流通・販売のアドバイザーも1人置く。
東京農大を卒業後、徳島県青果農業協同組合連合会(現JA全農とくしま)に就職し、青果販売や総務などさまざまな分野に携わった。退職してからJA大津の組合長に就くまでの6年間、実家で営んできたサツマイモやダイコンの栽培に精を出した。この経験を生かし「組合員と利用者に目線を置いたJA運営」がモットー。鳴門市大津町矢倉で妻、長男と3人暮らし。68歳。
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