県警初の女性刑事課長として美馬署に着任した。「つるぎ署との統合から2年目を迎える管内に一層細かく目が届くよう対応したい」。男性課員10人に交じって忙しい毎日を送る。
石井町出身。徳島大総合科学部を卒業後、1996年に採用され、東署での交番勤務を経て99年から刑事に。「困ったり悩んだりしている被害者の力になりたい」。意気込んではいたものの、もめ事や暴力などの現場では、男性捜査員と同じように対応するのが難しいケースもあり、悔しい思いをした。
一方で、性犯罪やDV(ドメスティックバイオレンス)事案では、同じ女性の被害者に寄り添った。「犯人を逮捕した時、被害者のほっとした表情を見ると、本当にこの仕事をやれてよかったと実感します」
刑事課長として気負いはない。「犯人を捕まえ、被害者を救う。その仕事に男女の別はない」。屈託のない笑顔でそう語る。
2004年から3年間、10年から4年間は県警察学校で後進を指導した。伝えたのは警察官の職責の重さ。「生命財産だけでなく、人生にも直接的に関わる仕事。常に緊張感を持って取り組んでほしい」。薫陶を受けた後輩は県警全体で500人以上に上る。
第一線で走り続ける原動力は阿波市で一緒に暮らす家族の支え。夫正和さん(42)は本部捜査一課の刑事で、悩みを相談し合える盟友。今年中学生になる長男(12)は夫の両親が世話をしてくれる。「大勢の支えで今の自分がある。課員らと一丸になって地域の安全安心を守りたい」と力強く宣言した。41歳。
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