関西地区在住の川島高校、旧制麻植中学校の卒業生でつくる近畿至誠会の会長として世代を超えた交流を支える。

 年1回の総会には約130人が参加する。創立90周年の昨年は、高野山霊宝館長で吉野川市出身の同校OB静慈圓さんの講演を組み合わせた高野山バスツアーも実施した。今年は参加者をさらに増やそうと、活動などを紹介するホームページ開設も検討。「校歌を一緒に歌うだけでも心が一つになれる。故郷から離れた関西で同窓会活動の魅力を発信したい」と意欲を見せる。

 吉野川市となった旧美郷村の奥にある中村地区の出身。一番の思い出は廃校になった母校の中村中学校で始めた卓球。練習場所が狭く、部員は5人しかいなかったが、3年生の時に県大会の団体などで優勝した。指導者に恵まれた結果だが、「内気な山の子にとって大きな自信になった」と振り返る。

 下宿をしながら通った川島高校でも卓球の県代表の1人に選ばれるなど活躍した。高校の恩師が住職を務めていた寺の檀家が美馬市出身の愛眼創業者・佐々栄さん(故人)だったことが縁で、大阪市の瑞宝眼鏡光学(現在の愛眼)に就職した。

 つるぎ町出身の下條千一さん(現相談役)も社長になるなど徳島と縁が深い同社で、店長勤務から始まり、営業、管理部門を経て、現在は執行役員を務める。業界は格安チェーンの参入で競争が激化しているが「技術力や眼鏡選びといったコンサルティング力をPRするとともに、曇らない風呂用眼鏡などの企画商品にも力を入れている」。

 川島高校の後輩の妻智恵さん(64)と帰省する。「徳島は関西に農産物を多く供給している。無農薬や有機野菜づくりなどで健康や自然のイメージを発信し、活性化に生かしてはどうか」と提言する。

 しも・しょうぞう 吉野川市出身。川島高校を卒業後、1968年4月に瑞宝眼鏡光学(現在の愛眼)に入社。本社営業部長、取締役総務・人事部長、管理本部長などを経て、4月から執行役員。近畿至誠会会長には1月に就任した。大阪府河内長野市在住。65歳。