ホテルや病院のシーツなどを扱うリネン工場の設備を製造販売する高松市の国内トップメーカー「プレックス」。従業員55人を率いてトップセールスに全国を駆け回っている。提携先の海外メーカーやアジアの輸出先に出張も多く「刺激の多い中でこそ製品開発のいいアイデアが浮かぶ」と目を輝かせる。軽妙な語り口に若々しさがみなぎる。
「最先端のものづくりの分野で学びたい」と慶応大工学部計測工学科に進学。学際的なオールラウンダーを育む環境で流体力学を学んだ。6年間研究を重ねて「開発・研究のプロセスを大切にする学生時代の経験が今に生きている。手を抜かず実験を繰り返すと結果はついてくる」。
大学院を修了し1981年に富士重工業に就職。最先端だった電子制御による無段変速機の開発に取り組み、製品化に成功した。「機械の設計から試作、実用化まで全ての工程にかかわったことで自信が付いた」と振り返る。90年に徳島に帰り、ジャストシステムに転職。ソフトウエア開発の企画立案を担当し米国法人の社長を3年間任された。
2004年に中四国でリネン製品のリース業を行うトーカイ(高松市)に入社。子会社プレックスに出向し、08年6月から代表取締役社長を務める。05年に欧州最大手のイェンセン(デンマーク)と技術提携。工場全体の自動化、省力化を進めている。人出不足が深刻な中で「リネン工場は重要な社会インフラ。将来は工場を無人化できるよう技術開発を進めたい」。
徳島市の自宅に妻(56)を残し高松市で1人暮らし。昨年9月、長男夫婦に生まれた初孫の写真を眺めるのが楽しみ。両親の墓参りに年数回は古里阿南市に帰る。「いろんな所で暮らしたけど潮の香り漂う橘湾の景色が一番やな」と話した。
もりもと・よしひこ 阿南市大潟町出身。阿南中、城南高、慶応大工学部を卒業し、同大大学院工学研究科修了。1981年富士重工業入社。ジャストシステムの米国法人社長を経て2004年3月、トーカイに転職した。入社当初から子会社プレックスに出向し08年6月から現職。高松市木太町在住。59歳。
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