実践的な技術者を養成する国立阿南高専(阿南市)の校長に就任した。文部科学省からの出向人事で、1963年の創立以来、徳島県出身者が校長に就くのは初めて。入学式では新入生166人を前に「専門的知識を身に付け、世界と競争、協力するとともに、地方でもその力を生かしてほしい」と激励し、地域再生を技術力で支える気構えを強調した。
3月まで科学技術振興機構復興促進センター(仙台市)のセンター長を務め、東日本大震災で被災した東北の企業と、大学や高専を結び付ける支援事業を指揮した。いくつもの新商品や事業が生まれる様子を目の当たりにし「地域を盛り上げるためには、教育機関と自治体、企業の連携が欠かせない」との思いを強くした。阿南高専でも「学生には積極的に地域と連携し、新製品の研究や開発に取り組むことを求める」という。
徳島市渋野町出身。城南高校から京都大工学部に進み、物理工学を専攻。82年に科学技術庁(現文科省)に入庁した。高校卒業以来、徳島での生活は37年ぶりで、久しぶりの故郷に「少しずつ阿波弁のイントネーションが戻ってきている」と笑う。
趣味は前任の仙台勤務時に始めたランニング。当初は体調管理のためだったが、走る楽しさに目覚め、3月までは毎朝約10キロを走った。各地のマラソン大会にもエントリーしており、来年春のとくしまマラソン出場を楽しみにしている。横浜市の自宅に妻と大学生の長男、長女を残し、学校近くの官舎で1人暮らし。55歳。
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