室町幕府13代将軍足利義輝を擁立せず首都京都を制した天下人三好長慶が、当初は阿南市那賀川町にいた義輝のいとこ足利義栄(よしひで、阿波公方)を新将軍に担ぐ政権構想を持っていた可能性があることが、天理大の天野忠幸准教授が見つけた新史料で明らかになった。これまで長慶が義栄の父義維(よしつな)を担ごうとして断られた史実は知られていたが、義栄の擁立を考えていたことが分かったのは初めて。

 新史料は、京都大文学研究科図書館蔵の「土佐家文書写」の中の「三好長慶あて足利義栄御内書」…