インターネットを使う上で欠かせないのが情報セキュリティー対策だ。しかし「自分には関係がない」「面倒くさい」「お金がかかる」といった理由で「利用者に安全意識が十分浸透しているとは言い難い」と顔を曇らせる。

 「全ての人が安全・安心にインターネットを楽しめる社会の実現は、世界最大級の情報セキュリティー対策ソフト開発会社に課せられた使命です。このため、CSR(企業の社会貢献活動)部門を立ち上げ、セキュリティー対策に関する啓発セミナーなどの活動を進めています」

 子育てにスマートフォンやタブレットを使う保護者が増えていることから、セミナーの対象は全国の幼稚園と保育園だ。「驚いたのは、参加者のほぼ半数が何の対策もしないで子どもにスマホやタブレットを使わせている現状でした」と話し、「CSRを通じて保護者の安全意識を高めていきたい」と意気込む。

 帰省した際、「散歩しながら眉山を眺め、季節の移り変わりを感じるのが楽しみ」という徳島では、人口減の克服に向けた地方創生の取り組みが本格化しつつある。

 「私も何度か地元での就業を検討しました。しかし、職種や収入を考えると選択肢がありませんでした」と振り返り、「若者が十分な収入を得て働ける環境をつくることが、地域を再生させる唯一の手段だと思います」。

 IT系の企業誘致やベンチャーの創業を促すには「開発資金の融資など、他地域にはない手厚い支援体制が求められます。全国屈指のインターネット環境が整う徳島だからこそ、自治体はもっと知恵を絞って」とエールを送る。

 「さらに言えば、住と職が近接していることも大切なポイント。徳島市中心部のオフィス環境を整えることも忘れないでほしい」。

 やぶうち・しょうじ 徳島市出身。城北高校、立命館大産業社会学部卒。1990年に入ったジャストシステムでダイレクトサービス部部長、執行役員コンシューマ事業本部事業部長を務める。2011年にカスペルスキーに移り、コンシューマ営業本部本部長を経て、14年7月から現職。東京都台東区在住。53歳。