徳島県小児科医会 日浦恭一

 突然死とはそれまで元気にしていた子どもが突然に死亡することです。先天的な基礎疾患を始め事故や虐待などの外因がまったくない原因不明の突然死が問題になります。

 原因不明の乳児突然死症候群SIDSは1歳未満、とくに2~5カ月の乳児に最も多く、生後6カ月を過ぎると次第に減少しますが、これ以外の時期にも発生することがあります。SIDSの発生は睡眠中に発生することがほとんどで、哺乳させた後に寝かせてちょっと目を離した時に発生することが多いものです。

 SIDSの原因ははっきりしませんが、発生機序としては、覚醒反応の悪さが考えられます。覚醒反応とは睡眠中に体に何か異常があると眠りから覚める反応のことです。例えば睡眠中に鼻づまりがあると苦しくなって目覚めることがあります。これは体が呼吸困難を自覚することで睡眠が浅くなって覚醒に至ることで、生命の危険を回避するものです。

 また人の呼吸は呼吸障害が発生すると血液中の二酸化炭素が増加して、呼吸中枢を刺激して呼吸運動が回復します。SIDSの子どもでは呼吸が止まっているのに覚醒反応が起こらず、また呼吸障害による低酸素状態や高二酸化炭素血症に関わらず呼吸運動が回復しないのです。このような覚醒反応の異常がある乳児が一定の条件下で呼吸が止まる状態に置かれた場合に突然死が発生すると考えられています。うつ伏せ寝はSIDSの原因のひとつと考えられていますが、健康な子どもがうつ伏せに寝ているだけでSIDSが発生する訳ではありません。

徳島新聞2011年8月17日掲載