徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)


 子どもの熱傷は比較的軽いものが多いと言われますが、重症の熱傷は生命に関わることがあります。熱傷の重症度はその面積と深さによって決まります。

 熱傷の深さによって3段階に分類されます。浅いものから1度、2度、3度と分けられます。1度は表皮だけが侵されるもので紅斑や発赤が見られるだけで痛みはありますが、数日で治り跡形が残ることはありません。

 2度は水泡を形成するもので、真皮が傷害されます。真皮の浅い層だけ傷害されるものと深い層まで侵されるもがあり、外見だけでは見分けがつき難いものです。

 3度は傷害が皮膚の全層から皮下組織まで及ぶもので、痛みを感じることもなく自然治癒することもなく、後に瘢痕を形成します。

 また熱傷の状況によって顔の熱傷では気道の熱傷を伴っている場合があり、重症の経過をとることが予想されますので、厳重な監視の下に置く必要があります。

 子どもの皮膚は薄くて、より深い熱傷になりやすいものですから、受傷直後に十分冷やすことが大切です。四肢末梢の熱傷では流水で30分ほど冷やしますが、広範囲の熱傷では冷やしすぎて低体温になることがありますから注意が必要です。

 さらに重症の熱傷では後の瘢痕形成だけでなく、皮膚からの感染症や大量の滲出液の漏出による循環不全、アルブミン漏出などに対する全身管理が必要となります。

 子どもはからだの大きさに比べて体表面積が大きいので、熱傷の面積割合が大きくなります。重症の熱傷の場合には受傷直後の重症度の判断が大切です。

徳島新聞2012年4月18日掲載