「女性社員の比率は?」「やりがいを感じるのはどんなとき?」―。大学生が徳島の企業を訪れ、質問をぶつけます。企業の公式ウェブサイトを見るだけでは分からないことも伝えます。徳島にこんな会社があったのか、という発見もあるはず。就職活動の参考にどうぞ。毎週火曜に更新します。 問い合わせや取材の申し込みは seikei-bu@topics.or.jp。

 

 

(取材に応対してくれたのは執行役員総務部長の宮島明人さん、経営管理部長の三木悠太郎さん、総務部人事課の松尾梨加さん、経営管理部経営企画室の安部勝己さん)

写真を拡大 同社提供

 ―業務内容と仕事の内容を教えてください

 車のエンジン用濾材やクラッチ板用摩擦材原紙など、さまざまな機能を持つ「機能材」を製造しています。生産拠点として県内に徳島工場、小松島工場、阿南事業所があります。

 会社の組織について説明します。営業部門は東京支店、事業開発部、徳島営業部、水環境事業部の四つがあり、それぞれ特色のある製品を販売しています。研究開発部は、既存製品の改良や新しい機能材の開発、自分たちで新たに考えていく、お客様との共同開発などに取り組み日々研究を進めています。他に技術部、生産管理部、品質保証部、経営管理部、総務部といった部署があります。

 ―経営理念と社風を教えてください

 「紙の可能性を追求し、多様な機能材との新結合を図ると同時に、環境との調和を目指した商品、サービスの提供を通じて、人類・社会に貢献する」というのが経営理念です。独自の製品、技術、サービスで世界一の会社を目指しています。

 社風は、助け合いではないでしょうか。一人の社員の仕事や悩みに対して皆で協力し合い解決をしていくという雰囲気が社内にあると感じます。ただ、アットホームなだけでなく、しっかりと言うべきところを言い合えるメリハリのある雰囲気もあります。より良い環境で働くために社員それぞれが普段から成長に努めているからこその雰囲気だと思います。

 ―2023年度の採用時期や採用予定人数はどうなっていますか。どのような選考方法や選考基準で採用されますか。

 2023年度の採用では理系・文系を問わず大学生および大学院生5人、高校生10人の採用を予定しています。選考方法は、まず一般教養の筆記試験および適性検査を行い、高校生の場合は1回の面接、大学生・院生の場合は2回の面接を経て採用が決定します。

 ―どのような人材を求めていますか

 経営理念に共感してくれる人にぜひ来ていただきたいと考えています。利益を出すことだけでなく、掲げている経営理念を実現することも会社の目的です。どういった思いで働きたいかという考えは重要です。

 また、誠実であることを大切にしている人と一緒に働きたいと思っています。やはり真摯に仕事と向き合っている人の根幹には誠実さがあります。企業は人です。働いている人が、会社全体の雰囲気やイメージをつくるのでぜひそういう考えに共感してもらえる人に来ていただきたいです。

 さらに、多くの部署があるため、一つの仕事を完遂するにはさまざまな部署と助け合わなければいけません。その点ではコミュニケーションを円滑に取れる能力も求められます。

 ―現在の社員数と、男女性比を教えてください。

 2021年度末を基準に、正社員が428人います。そのうち女性は38人いて、総務だけに限ると、部員の約5割が女性社員です。生産現場で働く女性もいます。

 ―子育てとの両立はどのようになっていますか。

 女性の育児休業の取得率は100%です。最近では育児休業の後、全員復職しています。女性のみならず男性の育児休業に関しても、今期は対象者の100%が育児休業を取得しています。

 また小学校1年生の年度末の間まで、勤務時間を1日6時間とする育児短時間勤務をすることができます。子供が熱を出したときには子の看護休暇が取れるなど、ワークライフバランスはしっかりできていると思います。現在、結婚や出産で辞める人はほとんどいません。

 ―販売は国内と海外のどちらが多いのでしょうか。

 国内と海外の割合は4対6くらいです。有価証券報告書では、国内の商社を介して行う海外の企業との取引は国内の売上として記録されますので、実際の比率とは少し違います。

 特に海水を真水に変えて飲料水にしたり、工業用の超純水を製造するための分離膜に使用したりする分離膜支持体用不織布は、主に海外の分離膜メーカーに販売しています。

 ―自動車関連用資材事業について聞きます。これからSDGsの浸透で電気自動車が増えていくと予想されています。どのような対応を行っていますか。

 エンジン用濾材だけでなく、クラッチ板用摩擦材原紙なども電気自動車の普及に影響を受けます。それを踏まえて、電気自動車で使用されるリチウムイオン電池用の断熱材など新しい機能材の研究開発を行っています。また、現在のフィルターが、他のでも使えるかもしれません。製品の横展開ですね。他の活用法を探るなどの発想も大事だと思います。

 ―どのようにキャリアを積んでいくのですか。

 入社後のキャリアを考えるための機会をいくつか用意しています。まずは人事課によるキャリア面談です。3年、6年と中長期的な目標を意識してもらうことが目的ですが、社員それぞれの健康状態などを把握する機会にもなっています。直属の上司には言いづらい悩みなどを話してくれる人も多く、社員からは「意味のある面談だった」という声も聞いています。

 二つ目はサクセスパートナー面談です。今年度から開始し、直接の上司以外の管理職から1名、一般職層から2名の面談相手を選んでもらい合計3回行います。仕事に関係する話以外でも話すことができる時間なので、気楽に普段は話さない社員と交流を持てる場だと思います。名前の通り自分を成功(サクセス)に導いてくれるパートナーを探して自由に話すことができます。アンケートでは8割以上の社員がサクセスパートナー面談をして良かったと回答しています。

 ―就活生へのメッセージをお願いします。

 自分の軸を持っておくことが一番大切だと思います。入社後、「自分は今後どうなりたいか」ということを考える際にも軸があるとぶれなくなります。でも決してこの軸が変わってはいけないということではありません。自分が成長すると見える世界もきっと変わってくるでしょう。その中で自然と軸も変わってくると思います。ただ、近い未来に対してのぶれない軸を持っておくことは責任感にも結び付きます。今一度自分を見つめ直して就活に臨んでほしいと思います

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