徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

麻疹ワクチンは2回接種が原則です。麻疹に自然に罹患すると終生免疫が出来ると考えられていましたが、その後麻疹に接触する機会がなければ出来た抗体は低下します。
ワクチンで獲得した抗体も追加接種がなければ時間とともに低下します。
またワクチン接種者の中には抗体が出来ない人が2~3%あります。
つまりワクチン接種しても抗体が出来なかった場合や一度獲得した抗体が低下した場合がありますから麻疹ワクチンは2回接種する必要があるのです。
 我が国で麻疹ワクチンが2回接種になったのは2006年度からです。1歳児(1期)に加えて就学前1年間(2期)の2回接種です。しかし2007-2008年に麻疹が青年層を中心に全国的に流行したことから、2回接種を受けていない年齢層に対しても2008年から2012年までの経過措置として第3期(中学1年生)と4期(高校3年生)の接種が行われるようになりました。今年がその最終年度に当たります。ワクチン接種率の目標は95%以上です。1期2期はこの目標をほぼ達成していますが3期と4期の接種率は目標に達していません。特に4期については接種目標を大きく下回っています。また大都会での接種率も伸び悩んでいます。麻疹は最近日本では大きな流行は見られなくなりましたが、海外では発展途上国だけでなく欧米先進国でも流行が見られます。麻疹抗体を持っていない人が海外に出かける場合、麻疹にかかる危険性があります。大都会には麻疹抗体を持たない人が多く暮らしていますから、麻疹が侵入すると流行する危険性が高くなります。都会に出る人、海外に出る人は麻疹ワクチンを打っておくことが大切です。

徳島新聞2012年8月22日掲載