「歴史に残る面白さだ」と、将棋好きの知人は最近機嫌がいい。将棋の最高峰「八大タイトル(棋戦)」を8人の棋士で分け合う状態となったことに、心躍るのだという
複数タイトルの保持者がいないのは、七大棋戦だった頃から31年ぶりのこと。日本将棋連盟も公式サイトに「群雄割拠」と題したブログを載せ、<目が離せません>と入れ込んでいるほどだ
藤井聡太七段も忘れてはならない。社会現象にもなった高校生プロは無冠とはいえ、勢いに衰えなし
31年前、羽生善治竜王は今の藤井七段と同じく無冠だった。その2年後に初タイトルを取り、9年後に前人未到の全七冠独占を成し遂げている。もしや藤井七段も・・・。愛好家ならずとも興味がかき立てられよう
本紙は八大棋戦の一つ「王位戦」の主催に名を連ねている。手前みそだが菅井竜也王位を紹介したい。攻撃的な棋風で「若武者」と称される、岡山市出身の26歳。タイトル保持者8人の中で2番目に若い
王位戦は現在、先に4勝するのを争う「7番勝負」の真っ最中だ。挑戦しているのは28歳の豊島将之棋聖。第2局を終え、1勝1敗と互いに譲らない。第5局は29、30の両日に徳島市が会場となる。3、4局の結果いかんでは、ここで王位死守か新王位誕生が決まる。八大棋戦を分け合う状態が崩れるかも。心が躍る。