徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 水痘ウィルスはヘルペス科に属するウィルスで空気感染、飛沫感染、接触感染します。潜伏期間は約2週間で、約70%の患者さんが発病前後に発熱します。皮疹は紅斑から始まり、水疱形成し、膿疱となり、痂皮形成して脱落し、治癒します。発病後4日間ほどは紅斑、水疱、膿疱が入り混じった状態になります。まったく治療しなければ発疹の数は250~300個になります。発疹数が50個以下は軽症、500個以上は重症と分類します。

 皮疹は体幹部や顔に多く、日焼けや皮膚炎があればその場所に密集する傾向があります。水疱が痂皮化して完全に脱落すれば水痘は治癒したと判断されます。皮疹がすべて痂皮化するのに7日~10日かかります。家族内の二疱次感染では、濃厚で反復して接触するために暴露ウィルス量が多くなり、そのために重症化することがあります。

 水痘に罹った者のうちワクチン未接種者では400人に1人以上が重症化するとされます。重症化の原因は小児では肺炎、気管支炎、熱性けいれん、細菌感染症といった合併症によるものが多く、成人では水痘そのものが重症化します。生後4か月以下では比較的軽症で生後7か月以上がむしろ重症となります。合併症の頻度で高いものは肺炎とA群溶連菌や黄色ブドウ球菌感染症など細菌の二次感染です。また妊婦が妊娠初期に水痘に罹った時に胎児に先天異常の生じる割合が2%あると言われます。異常の中には四肢の低形成、眼球異常、精神発達遅滞などがあります。

 このように水痘は決して軽微な感染症ではありません。罹った方が良いことなど絶対にないことを知っておく必要があります。