扉を開けるとほわ~んと焼き菓子の香ばしい匂いに包まれる。その正体はショーケースに並ぶ焼きたてのスコーンだ。この日は、くるみとレーズン、抹茶とホワイトチョコなど7種類がスタンバイ。コロンとしたフォルムが特徴的だ。「子どもでもいろんな味が楽しめるように、食べやすいサイズにしているんです」と言うのは店主の山添幸枝さん(41・福岡県出身)。全種類1個ずつ買っていくお客も珍しくなく、早々に売り切れてしまう日もある。
地元福岡県で管理栄養士として働いていた山添さん。結婚を機に2009年から徳島で暮らすようになった。子育てをしながら「自分の今までの経験を活かした仕事がしたい」と考えていたとき、阿波市産小麦の推進プロジェクトが立ち上がったことを知った。「自分が住んでいる阿波市で小麦が育っているのを知ってビビッときたんです」とにっこり。「体に優しいおやつを子どもに食べさせたいという気持ちもあって、お菓子を作りたいと思ったんです」。2年ほどの準備期間を経て、2016年に阿波市の小麦を主役にした焼き菓子店「sugar spot」をオープンさせた。
仕込みは小麦を挽くところからスタートする。玄麦(精白していない小麦)のまま仕入れ、その日に焼く分だけを挽く。皮ごと挽いた全粒粉を使うのでビタミンやミネラルが豊富。この挽きたての阿波市産小麦を100%使用するのが何よりの特徴だ。卵や乳製品は使わず、添加物や保存料も不使用。キビ糖や豆乳、一番搾りの菜種油など可能な限り安全な物を選んでいる。「前職で小児病棟にいたこともあり、アレルギーを持つ子たちもたくさん見てきました。だからこそ誰でも安心して食べられるようにしたかったんです。卵や乳製品不使用にすることはアレルギーがある方だけでなく、カロリーなども抑えられるので体に優しい。それらを使わないことでより小麦を引き立たせることもできます」と山添さん。スコーンをひとかじりすると、外側はザクッとしているのに中はしっとり。しっかりと小麦の風味を感じる。「噛むほどに小麦の旨み、香りが出るんです。子どもたちにもしっかり噛んで食べてほしいです」。
営業は火曜、木曜、金曜の週3日。期間限定のスコーンもあり、なると金時「松茂美人」を使ったお芋のスコーン(220円)や、ドライフルーツとくるみを詰め込んだシュトーレン風スコーン(220円)などが登場している。スコーンにあわせてブレンドされたコーヒーと一緒にイートインするのもおすすめ。
【イベント出店】
・最終日曜は徳島市南内町のBATAHOUSEで開催される「リノベなくらしいち」に出店。
・第2日曜は阿波市阿波町の安田歯科駐車場で開催される「つきいちマルシェ」に出店。
sugar spot(シュガースポット)
徳島県阿波市市場町大俣宇佐159-1
0883-36-1365
営業時間=10:00~16:00
営業日=火曜、木曜、金曜に営業
駐車場:あり
多機能トイレ:なし
Wi-Fi:なし
完全個室:なし
座敷席:なし
開店:2016年