徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

B型肝炎はウィルス性の疾患で、乳幼児期にかかると持続感染を起こしてキャリア(保因者)になるために長期間ウィルスが体内に留まることが知られています。キャリアの状態では症状はありませんが他人への感染源になることや、長い年月の後に慢性肝炎を経て肝硬変や肝がんの原因になることがあります。

B型肝炎はごく微量のウィルスでも感染しますから、出産時や医療現場での針刺し事故、注射器の使い回しや濃厚な接触などで感染します。

B型肝炎は感染する年齢によって経過が異なります。新生児期に感染すると90%以上がキャリアになりますが、5歳以上でかかるとキャリアになる頻度は1%以下になります。

キャリアになると、その10%程度が慢性肝炎を発病して肝硬変や肝がんになります。残り90%は無症状に経過しますが長い年月の後に肝がんを発病することがあります。
年長児や成人が感染した場合に20~30%は急性肝炎を発病し、残り70~80%は不顕性感染になります。B型肝炎を発病しても、多くは抗体を獲得して臨床的に治ります。しかし臨床的に治癒してウィルスに対する抗体が出来ても、免疫抑制剤や抗がん剤などを使用すると体内でウィルスが再活性化して、その結果、慢性肝炎を経て肝がんになることがあります。

日本以外の多くの外国では生まれてくる全ての子どもにB型肝炎ワクチンを接種しています。日本ではキャリアの母親から生まれた新生児のみに感染予防が行われています。ほとんどの日本人はB型肝炎に対する免疫を持っていません。すべての子どもにB型肝炎ワクチンを接種することが望まれます。