徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 皮膚には外界からの刺激から体内を守るバリア機能や表皮角質層の保湿機能があります。これらの機能はアレルギーを予防する上でも大切な機能です。

 皮膚の表皮角質層には皮脂、天然保湿成分、角質細胞間脂質など皮膚の保湿に関係する物質があります。これらが不足すると皮膚が乾燥して角層が剥がれやすくなりますからバリア機能も低下します。その結果、隙間からアレルゲンが侵入し、アレルギーに感作されやすくなります。皮膚の保湿機能はアレルギー予防にとても重要な役割を担っています。

 アトピー性皮膚炎の人の皮膚は表皮が薄く乾燥肌であることが多いと言われます。表皮が薄いために皮膚からアレルゲンが侵入し、アレルギー反応が進行します。

 さらに最近の子どもはあまり汗をかかなくなったと言われます。汗には皮膚温の調節、皮膚の保湿、抗菌作用などがあります。汗は角質層の水分量を調節して保水に働きます。汗をかかなければ表皮の保湿機能が低下して乾燥肌になります。このことがアトピー性皮膚炎増加の原因になると考えられます。

 発汗が少なくなったのは社会環境の温度上昇および湿度の低下、生活習慣の中で適度な発汗を促す運動の減少、入浴をせずにシャワーで済ませる人が増えたことなどが挙げられます。

 アトピー性皮膚炎の予防や治療には保湿を中心とするスキンケアが大切です。皮膚の清潔は大切ですが、強力な石鹸の使用や皮膚を強くこすることは逆効果です。入浴後には適切な保湿剤を使用し、発赤やかゆみのある皮膚炎に対してはステロイド外用剤の使用も必要です。