徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 働きながら子育てをするために子どもを保育園に預ける人が増えています。出産後も早期に職場に復帰するために乳児を預ける場合も少なくありません。保育園では大勢の子どもが集団生活を送りますから、早期から多くのウィルスや細菌に接触して、預け始めの数か月の間に様々な感染症を経験します。今月は集団生活と感染症の関係、その予防について考えてみました。

 保育園で預かるのは0歳児から6歳児までです。0歳児では生後5~6か月までは母体免疫(受動免疫)がありますから多くの感染症に対しては抵抗力を持っています。ただし生後6か月までは感染症に罹らないと言う訳ではありません。濃厚な接触を繰り返せば体力の弱い乳児は感染症に罹ることがあります。

生後5~6か月過ぎには受動免疫が無くなりますから感染症に罹る頻度が増加します。このために乳児期早期に大切な感染症に対する予防接種を済ませておく必要があります。

3歳児位になると感染予防の衛生教育が可能になります。手洗いやうがい、咳エチケットの実施を行うことが出来ます。

2歳以下の子どもではほとんど衛生教育は不可能です。感染症の多くは接触、飛沫感染で発生しますが、床を這い回る子どもたちは手当たり次第手に触るものをなめたり口に入れたりしますから感染予防もなにもあったものではありません。

感染症に罹った時には休ませることも大切なことです。完全に治ることは言うまでもありませんが、感染力の残った状態で集団生活に参加すると周囲に感染症を拡大することで迷惑をかけます。病気になれば十分に休むことも大切なことです。