ご愛読いただきました南杏子・作、夜久かおり・画「いのちの十字路」は1月13日に終了し、14日から門井慶喜・作、藤原徹司・画「ゆうびんの父」が始まります。日本近代郵便の父と称される前島密の知られざる人生、そして郵便制度誕生のドラマが描かれます。ご期待ください。

 〈作家の言葉〉郵便制度の祖と呼ばれ、一円切手の肖像にもなっている前島密はしかし単なる「偉い人」ではない。勉強して、全国を旅して、それでもなかなか世に出られなかった。現代の市民の苦悩の先駆者なのである。新聞連載である。読めば次の朝が待ち遠しくなるものでありたい。まるで親しい人からの手紙のように。

 〈画家の言葉〉このたび、門井慶喜さんからお声がけいただいて挿画担当となったこと、大変光栄に思っています。自身のキャリアでも初となる新聞小説の大役です。本編の魅力を最大限に引き出せるよう、全力で取り組むことはもちろんのこと、目いっぱい楽しみたいと思います。

 かどい・よしのぶ 1971年、群馬県生まれ。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞、16年『マジカル・ヒストリー・ツアー』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、18年『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞。著書は『東京帝大叡古(えーこ)教授』『家康、江戸を建てる』『地中の星』『信長、鉄砲で君臨する』など多数。

 ふじはら・てつじ 1976年、埼玉県生まれ。2012年東京装画賞「銀の本賞」受賞。14年ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ入選。著書は『こうじょうたんけん』『東京まちがいさがし』など。「ちゃぶ台のラジオ」パーソナリティを務める。