徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 細菌が血液中に入って発生する菌血症や髄膜炎などの重症感染症が侵襲性感染症です。インフルエンザ菌b型(ヒブ)や肺炎球菌は侵襲性感染症になることが多い細菌であることが知られています。中でもヒブは髄膜炎を起こすことが、肺炎球菌は菌血症の原因菌になることが多いと言われます。

 これらの重症細菌感染症は発生した時にも特別な症状や検査所見が乏しく、発見し難く、耐性菌の増加で治療に難渋して、生命予後が悪く、後遺症を残すことも稀ではありません。

 2010年からヒブと肺炎球菌に対するワクチンが公費負担で行われ、さらに今年4月からは定期予防接種になって、これらの侵襲性感染症の発生頻度は大きく減少しています。

 ワクチン開始後、ヒブ髄膜炎は92%の減少、肺炎球菌髄膜炎は73%の減少を示しています。侵襲性感染症の中で髄膜炎以外の疾患でもヒブによるものは82%の減少、肺炎球菌によるものは52%減少しています。

 ヒブも肺炎球菌もその重症型である侵襲性感染症は確実に減少しています。しかしヒブの侵襲性感染症の減少割合に比べて肺炎球菌の減少割合は決して満足できるものではありません。

 ワクチン開始後の肺炎球菌による侵襲性感染症を詳しく調べると、ワクチンに含まれる7種類の血清型以外のもので多く発生していることが判ります。現在までの7価ワクチンでは効果不十分で、これに含まれていない血清型の肺炎球菌感染症の割合が、ワクチンの普及に伴って増加したことが判ります。

 このようなことから今年の11月から肺炎球菌ワクチンが7価ワクチンから13価ワクチンに変更になりました。