2023年、開館25周年を迎える鳴門市の大塚国際美術館。1998年の開館当初から展示作品が13点増えるほか、「最後の晩餐〈修復後〉」の展示や、システィーナ・ホールの天井画が完全再現されるなど、四半世紀の間に進化を続けている。美術作品に関連するイベントも続々と始まり、見どころ満載だ。世界の名画を陶板画で展示して全国的に有名になり、すっかり徳島を代表する観光名所になった大塚国際美術館。趣向を凝らした取り組みを紹介しよう。
◆出迎える「最後の審判」 技術改良10年目に曲面再現
正面玄関からエスカレーターを上って館内に入ると、すぐに見えるのがシスティーナ・ホールだ。ミケランジェロがバチカンのシスティーナ礼拝堂に描いた天井画と正面壁画「最後の審判」を再現している。
来館者のほとんどが、まずこのホールに足を運ぶ。そして、空間をそのまま再現した圧倒的な雰囲気にのみ込まれる…
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